女性なら誰でも発症する可能性も!卵巣のう腫ってどんな病気?

卵巣のう腫は、卵巣にできる良性の腫瘍です。触るとやわらかいのが特徴で、年齢問わず女性なら誰でも発症する可能性がある病気です。原因はストレスとも考えられていますがいまだによくわかっていません。
今回は、卵巣のう腫の種類や症状、治療法について3回に分けて解説していきます。
卵巣のう腫は4種類に分類される
卵巣のう腫は、卵巣内にたまった中身によっておもに4つの種類に分類されます。
漿液性(しょうえきせい)膿腫
腫瘍の中に卵巣から分泌されるさらさらした透明の液体がたまります。卵巣のう腫の中でも一番多いタイプで年齢問わず見られます。
大きさは個人差がありますが、なかには直径15cm以上の大きさになることもあります。良性のことがほとんどですがまれに悪性化することもあります。
粘液性膿腫
漿液性膿腫の次に多いタイプで、粘り気のあるゼラチン状の液体がたまります。放置しておくと大きくなることが多く、5kg以上の重さになることもあります。閉経以降の女性に多いです。
皮様性膿腫(成熟のう胞性奇形腫)
腫瘍の中にドロドロとした液体がたまります。中には髪の毛や、歯、脂肪、軟骨などが入っていることもあります。腫瘍の中にこのような人体の一部が入っている理由は、卵巣の中にある卵子が関係しています。
卵子には、髪の毛や歯、皮膚など人間の体をつくる細胞が詰まっています。通常、卵子は成熟すると排卵されますが、何らかの理由により卵子が卵巣内で誤って成長してしまうことがあるのです。その結果、腫瘍の中に髪の毛や歯などいろいろなものがたまります。
しかし、なぜ卵巣の中で卵子が成長してしまうのかはまだわかっていません。皮様性膿腫は、20~30代の若い女性に多く、まれに悪性化することもあります。
チョコレートのう腫(子宮内膜症性卵巣のう腫)
子宮内膜症が卵巣にできたもので、毎月の生理の出血により、排出されずに行き場を失った古い血液が卵巣の中にたまります。20~30代の若い女性に多いですが、40代以降は悪性化することもあります。
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次回は卵巣のう腫の特徴的な症状について解説していきます。