子宮筋腫治療の新しい選択肢「切らない治療法」のメリット・デメリット

子宮筋腫の治療

子宮筋腫による症状が薬物治療を行っても改善されない場合には、手術が視野に入ってきます。けれども「切開をするには抵抗がある」「子宮の全摘をすすめられたができれば残しておきたい」という方も当然います。

そこで選択されるのが「切らない治療法」です。開腹手術や腹腔鏡手術を行なわず、子宮も温存したまま効果的に子宮筋腫の症状を軽減することができます。

今回は切らない治療法である「マイクロ波子宮内膜焼灼術(MEA)」「子宮動脈塞栓術(UAE)」「集束超音波治療(FUS)」についてご紹介していきます。

マイクロ波子宮内膜焼灼術(MEA)

マイクロ波子宮内膜焼灼術は、電子レンジでも使われている「マイクロ波」の力で、子宮内膜を焼き、凝固させる治療法です。

子宮筋腫自体に働きかけるものではありませんが、過多月経による貧血の改善には多くの実績を出しています。

そのため薬では過多月経や貧血を改善できなかったものの、子宮を手術でとってしまうことに対しては抵抗がある方、子宮があまり極端に大きくなっていない方に適した治療です。

切開などの手術処置は必要ありませんが、子宮内にマイクロ波を発するアプリケーターを挿入して行うので、腰椎麻酔や全身麻酔が必要となり、3日前後入院も必要となります。手術時間自体は30分と短めです。

メリット

  • 傷跡が残らない
  • 痛みが少なく、体への負担も軽い

デメリット

  • 子宮内膜の機能を止めてしまうので、妊娠できない
  • 子宮内膜の厚さが一定以上ないと適応できない(周囲の器官がやけどしてしまう可能性があるため)
  • 再発の可能性がある

子宮動脈塞栓術(UAE)

子宮動脈塞栓術は、右の太ももに通っている動脈から血管を塞ぐ栓となる物質をいれ、レントゲンをみながら移動させて子宮動脈を塞ぐ、という方法です。

子宮筋腫は子宮動脈から血液を受け取ることによって大きくなっていくので、供給元を塞いでしまえばだんだんと小さくなり、最終的に排出されてしまうこともあります。

子宮動脈を塞いでも、子宮自体はほかの動脈から血液が送られるので、機能に問題は生じません。3日程度の入院ですみ、1週間程度で仕事や家事などの普段通りの生活が送れます。

メリット

  • 傷跡が目立たない
  • 局所麻酔ですみ回復も早い
  • 子宮筋腫の数や大きさ、できている場所に関わらずいっぺんに治療できる
  • 癒着やほかの器官をうっかり傷つけてしまうといった合併症がない

デメリット

  • 長期的なデータが少ないため日本では妊娠を望む方には適用されない
  • 感染、卵巣機能低下による閉経、肺塞栓などの合併症が報告されている(確率は3%未満)

集束超音波治療(FUS)

集束超音波治療は2000年代に入ってから行なわれるようになった新しい治療法です。

患者はお腹の下にFUSの装置を敷いた状態でMRIの中に入り、医師は画像を確認しながら、超音波を集中させたことによって生まれるエネルギーを使って、子宮筋腫を焼いていきます。

治療には3時間から5時間かかり、治療中は下腹部に生理痛のような痛みや熱を感じることはありますが、中で好きな音楽を聴いていて良いなど比較的リラックスして過ごせます。

メリット

  • 日帰りでの治療が可能で、翌日から普段通りの生活ができる
  • 傷跡も残らず身体への負担が少ない
  • MRIなので放射線を浴びる心配がない
  • 何度も繰り返し治療することができる
  • 薬物を使わないので副作用がない

デメリット

  • 治療できる病院の数が少ない
  • 保険適用外で費用が高額
  • 特定の疾患の合併や閉所恐怖症、造影剤アレルギーのためにMRIが使えない場合には受けられない
  • データが十分ではないため、現時点では妊娠を望む方には適用されていない
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